「何個売れば成り立つ?」損益分岐点をやさしく考える

原価もしっかり出したし、価格も納得して決められるようになりました♡
でも・・・
そこで次に湧いてくるのが、
「結局、月に何個売ればお店として成り立つんだろう?」
という疑問です。
その答えを教えてくれるのが、
「損益分岐点(そんえきぶんきてん)」
という考え方。 少し硬い言葉ですが、意味はとってもシンプル。
「利益も損も出ない、プラマイゼロのライン」のことです。

「最低でもここまで売れば赤字にならない」という目安を知るだけで、毎月の漠然とした不安はぐっと減りますよ。


1. まずは「毎月必ずかかるお金」を書き出す
損益分岐点を出すために、まずは「お菓子を作っても作らなくても、毎月必ず出ていくお金」を整理しましょう。これを「固定費」と呼びます。
【固定費の例】
- アトリエの家賃
- 電気・ガス・水道代(基本料金など)
- 通信費(ネット・スマホ)
- 保険・車の維持費
- 設備のローン・サブスク代
- 消耗品費
【例えば…】
これらを合計して、毎月 10万円 かかるとします。
この「10万円」が、あなたがまず最初に超えなければいけないハードルになります。
2. 「1個売ったときに、いくら残るか」を出す
ここが計算のポイントです。
商品が1つ売れたとき、そこから「材料費」や「自分の時間給(人件費)」を引いて、「固定費の支払いに回せるお金」がいくら残るかを出します。
販売価格 - 原価(材料+資材+時間) = 1個あたりの利益
【例えば…】
- 販売価格:600円
- 原価(材料+包装+自分の時間):300円
- 手元に残る利益:300円
1個売るごとに、300円ずつ「10万円のハードル」に近づいていくイメージです。
3. いよいよ「何個売ればいいか」が見えてくる
ここまで来れば、計算はあと一息です!
固定費 ÷ 1個あたりの利益 = 必要な販売数
【実例で計算!】
- 固定費:100,000円
- 1個の利益:300円
- $100,000 \div 300 = 333.3…$ → 334個
つまり、「月に334個売れば、赤字にはならない(トントンになる)」ということがわかります。ここがあなたの「安心の最低ライン」です。
4. 数字を「1日単位」に分解してみよう
「月334個」と言われると多く感じるかもしれませんが、小さく分けていくと景色が変わります。
- 1ヶ月に334個
- 週4日稼働(月16日)なら… 1日あたり約21個
「1日に21個お届けすれば大丈夫」と考えると、なんだか「できそう!」と思えてきませんか?

こうして具体的な数字に落とし込むことで、今日一日の動き方がはっきり見えてくるんです。

数字の管理はパソコンでしっかりと♡
5. もし数字が「ちょっと厳しいな」と思ったら
計算してみて「今のままじゃ大変かも…」と感じても、落ち込まなくて大丈夫。
そのときは、次の3つのどこかを少しだけ調整してみましょう。
- 固定費をスリムにする(使っていないサブスクはない?)
- 原価を見直す(ロスを減らす、仕入れ先を工夫する)
- 価格を見直す(価値を伝えて、適正な価格にする)
どこか1つが少し動くだけでも、必要な個数はぐっと少なくなります。

「なんとなく」を「理由がある」に変える強さ
お菓子の現場では、「忙しいから、なんとなく売れている気がする」という状態が一番不安なものです。
でも、「あと何個売れば目標達成!」と分かっていれば、精神的にとっても楽になります。
数字は、あなたを縛るものではなく、あなたを守るための「地図」です。
まずは一番人気の商品ひとつだけでいいので、計算してみてください。

その一歩が、長く楽しくお菓子を作り続けていくための、強い土台になりますよ。




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